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PUBLIC RECORDディープフェイクの通報2026-10-26 更新· 約14分 閲覧· 作成・監修 サラジムカンパニー対応チーム

ディープフェイクの通報先|どの窓口に何を出すか

ディープフェイクの通報先は四系統ある。プラットフォームの報告、情報流通プラットフォーム対処法の削除申出窓口、検索結果からの削除、そして警察への通報である。合成であることを証明しようとするより、どの窓口のどの区分に当てるかを決めるほうが早い。ここでは窓口ごとの出し方と、却下されたときの次の一手を整理する。

ABSTRACT

通報は一本に絞らない。アプリ内の報告は速いが判断の理由が返らず、情プラ法の削除申出窓口には回答期限がある代わりに記載事項が多い。検索結果からの削除は別手続で、Google は本人と特定できる偽造コンテンツを明示的に対象としている。警察庁は全国統一のオンライン受付窓口を設けており、刑事として扱う場合はここが入口になる。四系統を同じ資料で回せるよう、証拠の固定を最初に終わらせる。

本文の条文・期限・窓口は、e-Gov 法令検索、警察庁、総務省が公表する削除申出窓口の一覧、情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会、各プラットフォームの公式ヘルプおよび StopNCII.org の記載を、掲載日時点で確認したものである。

01通報先は四系統

同じ画像について、出せる窓口は四つある。順番を決めずに出すと、同じ資料を四回作り直すことになる。

系統何が起きるか期限
アプリ内の報告モデレーションの判断で削除・凍結なし
情プラ法の削除申出窓口調査のうえ判断を通知指定事業者は申出から7日
検索結果からの削除検索結果ページ上から外れるなし
警察への通報・相談捜査の対象になるかの判断なし
先にやってはいけないこと

投稿者に直接連絡しない。誰かに見せるために保存・転送・再投稿しない。18歳未満が写る、あるいは写るように作られた記録は、手元に置くこと自体が別の問題になる。Google は、児童性的虐待の画像や未成年を性的に表現したものを含むスクリーンショットを撮影・共有しないよう注意書きを置いている。

02証拠を固定する

四系統のうち三つは、対象の特定が甘いと処理されない。最初に一件ずつ固定して、同じ資料で全部回せる状態をつくる。

複製一件につき残すもの

  • ページの URL と、動画・画像の直リンクが見えるときはそれも。
  • アドレスバーと表示日時を含む、切り取らない全画面のスクリーンショット。
  • 投稿アカウントの表示名、ID、プロフィールの URL。
  • 確認した日時。表に書くときは「2026.10.26 03:56」の形に揃える。
  • タイトル、説明文、タグ、ファイル名。これがそのまま監視キーワードになる。
  • 動画なら、侵害箇所の時刻を「0:00-1:13(動画全体)」の形で始まりから終わりまで書く。
  • 本人であることを示す資料。用意だけしておき、求められたときに出す。
切り取らない

証拠として出す画面は、上端から下端まで無編集で残す。関係のない部分だからという理由で切ると、後から加工の有無を争われる材料になる。強調は赤枠を足すだけにして、その趣旨を注記する。

03プラットフォームの報告

各サービスは、合成であることを独自に判定しない前提で窓口を設計している。該当するポリシー項目を選ぶことが、実質的な主張になる。

サービス選ぶ区分確認先
Xポストを報告 → センシティブな画像または動画 → 許可されていない画像または動画合意のない裸体の描写に関するポリシー
Instagram・Threadsアプリ内の報告と削除申出窓口の二本立てMeta の窓口
Facebook同じく二本立てFacebook の窓口
YouTubeプライバシー侵害の申し立て。自分の映像の改変なら著作権侵害の申し立てプライバシー侵害の申し立て手続き
TikTok編集されたメディアおよび AI 生成コンテンツ、または身体の露出と性的行動コミュニティガイドライン

X の合意のない裸体の描写に関するポリシーは、顔を別人の裸体に重ねた加工画像も違反例に挙げており、最初の投稿者と特定されたアカウントは即時かつ永久に凍結されるとしている。確認用のポストは最大5件まで送れる。

TikTok のコミュニティガイドラインは、AI や編集を使って人物やシーンをリアルに描写する場合に明確なラベリングが必要であるとし、個人に害を与える AI 生成コンテンツは許容されないと定める。ラベルが付いていないこと自体を、報告の理由として書ける。

04情プラ法の削除申出窓口

アプリ内の報告と違い、こちらには回答期限がある。2001年のいわゆるプロバイダ責任制限法は、令和6年の改正で「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」に改称され、通称は情報流通プラットフォーム対処法である。

条文内容期限
第22条削除申出の方法を定めて公表する受付日時が申出者に分かる方法であること
第23条権利が不当に侵害されているかを調査する遅滞なく
第25条判断の結果を申出者へ通知する申出を受けた日から7日
第27条削除した旨と理由を発信者へ通知する遅滞なく
第28条申出の受付状況と対応状況を公表する公表年度の経過後2か月以内

第25条の本文は「申出を受けた日から十四日以内の総務省令で定める期間内」と書くが、実際の期間は施行規則第16条で7日と定められている。期限が及ぶのは第20条第1項で大規模特定電気通信役務提供者に指定された者だけで、総務省が窓口と削除基準の一覧を公表している。指定されていないサイトは対象外で、対応は任意にとどまる。

7日が延びる場合

発信者の意見を聴くとき、侵害情報調査専門員に調査させるとき、その他やむを得ない理由があるときは、7日以内にその旨だけを知らせ、判断後に遅滞なく結果を通知すれば足りる(第25条第2項)。合成が争点になる案件では、この延長に入ることがある。

05検索結果からの削除

検索結果からの削除と、サイト上の記録の削除は別の手続である。Google は個人的な性的コンテンツの削除について、偽造されたコンテンツを明示的に対象区分の一つとしている。

  1. 偽造された性的コンテンツとして扱われるには三つの条件を満たす必要がある。本人だと明確に識別できること、本人になりすました人物のヌードや露骨な性的行為であること、本人の同意なく公開されたことである。
  2. 名前、別名、ハンドルがポルノサイトや広告と結び付けられている検索結果も、別の区分として対象になる。
  3. 削除してほしいページの URL を入力する。審査対象は提出した URL のみで、提出していないページは見られない。
  4. スクリーンショットの提出を求められることがある。申請に使うデバイスと同じ機器で撮影し、本人の顔だけが写るように編集してもよい。
  5. 18歳未満の人物が写るヌードや性的コンテンツは、誰でも報告できる。
検索から消えても残る

Google が削除できるのは検索結果ページ上のコンテンツだけで、記録そのものはウェブ上に残る。サイトから消すにはウェブサイトの所有者に連絡する必要がある。報道価値があると判断された場合は削除されないこともある。

Google は、報告された画像と同一のものを検出し、検索結果から削除するよう努めるとしている。同じ画像の削除を望まない場合は、フォーム送信時にその旨を伝える運用になっている。

06ハッシュ登録

StopNCII.orgは、英国の非営利団体 SWGfL の Revenge Porn Helpline が運営する仕組みである。ハッシュは自分の端末上で生成され、画像や動画そのものはアップロードされない。参加企業へ共有されるのはハッシュだけで、照合によって一致する投稿の検知・削除に使われる。

  • 利用条件は、本人が写っていること、撮影時に18歳以上であったこと、現在18歳以上であること、ファイルを今も持っていること、ヌード・半裸または性的行為の内容であること。
  • 画面は日本語を含む34言語に対応している。
  • 参加サービスには Facebook、Instagram、Threads、TikTok、Reddit、Snapchat、X、OnlyFans、Pornhub、xVideos、Microsoft が含まれる。
  • ハッシュが届くのは参加企業に限られる。国内の掲示板や個人運営のサイトには及ばない。

合成された画像の場合、手元にあるのは加工後のファイルである。利用条件は本人が写っていることを求めるため、該当するかは内容によって変わる。該当しない場合は、申出と検索側の申請で組む。

07警察への通報と相談

警察庁は、サイバー事案に関する通報・相談・情報提供について、全国統一のオンライン受付窓口を設置している。窓口から通報等を行う際に住んでいる都道府県の警察本部または管轄警察署を選択し、内容はその警察へ通知される仕組みである。デジタル庁が運営する e-Gov 電子申請からも行える。

  • 通報は、被害に遭った具体的な事実の通知を伴う場合。
  • 相談は、サイバー事案に関するアドバイスを求めるもの。
  • 情報提供は、事案に関する情報を提供するもの。
  • 警察庁は、SNS や掲示板に自分の名前、住所、写真等の個人情報が掲載され誹謗中傷された場合を、よくある相談事例として挙げている。
  • 都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口の連絡先と警察署一覧も公開されている。
  • 被害届を行う場合は最寄りの警察署等に連絡するよう案内されている。人命に関わる事案は最寄りの警察署に通報し、緊急を要するものは110番である。
相談の前に証拠を終える

刑事として扱う可能性があるなら、相談の前に証拠の保全を終えておく。相談中に投稿が削除されると、対象の特定ができなくなる。削除の申出と刑事の筋は目的が逆方向に働くことがあるため、どちらを先に出すかを決めてから動く。

08刑事で問う条文

合成画像について、どの条文で問うかは内容によって変わる。摘示された事実の有無にかかわらず社会的評価が下がる場合は名誉に対する罪、性的な記録として流通している場合は個別法が中心になる。

条文行為法定刑
刑法第230条第1項公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損する3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
刑法第231条事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱する1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料
リベンジポルノ防止法 第3条第1項撮影対象者を特定できる方法で、電気通信回線を通じて不特定もしくは多数に提供する3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
性的姿態撮影等処罰法 第3条第2項性的影像記録を不特定もしくは多数に提供し、または公然と陳列する5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科
告訴期間に注意

名誉に対する罪は告訴がなければ公訴を提起できない(刑法第232条第1項)。親告罪の告訴は犯人を知った日から6か月を経過するとできない(刑事訴訟法第235条)。リベンジポルノ防止法第3条第1項から第3項までの罪も告訴がなければ公訴を提起できない(同条第4項)。投稿者が判明した日が起算点になる。

09窓口のない相手への書式

指定を受けていないサイトや、報告機能のないサイトには、情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会(旧プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会)が公開している書式を使う。協議会の関連情報サイトから入手できる。

  • 書式①-1 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書(名誉毀損・プライバシー関係)。
  • 書式①-3 私事性的画像侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書。性的な内容はこちらを使う。
  • 太枠内に書いた内容は、プロバイダから発信者にそのまま通知される前提になっている。氏名欄に○を入れなければ氏名は開示されない扱いである。
  • 照会期間は一般の侵害情報で7日(情プラ法第3条第2項第2号)、私事性的画像記録で2日(リベンジポルノ防止法第4条)である。

10却下されたときの次の一手

同じ文面で出し直しても同じ結果になる。却下理由に対応する資料を足すか、根拠を別の区分に組み替える。

  1. 却下理由を文字で残す。画面の画像ではなく、回答文の原本を保存する。
  2. 本人と特定できることが争点なら、顔が明確に写る部分を指定し、投稿のタイトルや説明文に本人の名前が含まれていることを示す。
  3. 合成であることが争点なら、元になった画像の所在と撮影日を示す。自分で撮影した素材なら著作権侵害の筋に組み替える。
  4. ポリシーの区分に当てはまらないと言われたら、法律に違反している、または権利を侵害していると思われるコンテンツとして法律に基づく削除の窓口に出す。
  5. 動かない相手には削除仮処分。民事保全法第23条第2項により、著しい損害または急迫の危険を避けるため必要なときに発することができる。
  6. 投稿者の特定は別の申立てである。東京地方裁判所民事第9部は、発信者情報開示命令事件では投稿記事の削除を求めることはできないと明示している。

11再投稿の監視

  • 名前ではなく、記録しておいたタイトルとタグを監視語にする。再投稿は題名を変えて戻ってくる。
  • ハッシュは登録したままにする。見つけていない複製に働く仕組みはこれだけである。
  • 削除済みの URL も定期的に見直す。運営者が変わると復活することがある。
  • 新しい申出には、過去の受付番号を必ず添える。同一案件として扱われ、判断が早くなる。
  • 指定事業者は第28条で対応状況を年度ごとに公表する。相手の処理件数を把握した上で督促する。

サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)が担うのは、証拠の記録、各窓口への報告と申出、書式の作成と送付、検索結果からの削除申請、再投稿の監視という事務の部分である。法律事務は取り扱わず、訴訟代理人にはならない。

よくある質問

合成だと証明する必要がありますか

窓口は合成の鑑定を求めていない。Google は本人だと明確に識別できること、なりすました人物のヌードや露骨な性的行為であること、同意なく公開されたことの三条件を示している。

アプリ内の報告だけで足りますか

足りないことが多い。アプリ内の報告には期限も理由の返答もない。情プラ法の削除申出窓口に出すと、指定事業者は申出から7日以内に判断を通知する。

警察にはどこから相談しますか

警察庁が設けている全国統一のオンライン受付窓口から通報・相談・情報提供を行える。都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口の連絡先も公開されている。

ハッシュ登録は合成画像にも使えますか

StopNCII.orgの利用条件は本人が写っていることを求める。加工後のファイルが条件に当たるかは内容によるため、申出と検索側の申請を軸に組む。

検索から消えれば終わりですか

終わらない。Google が削除できるのは検索結果ページ上のコンテンツだけで、記録はサイトに残る。元のページへの対応が別に必要である。

TikTokのラベルがない点を理由にできますか

できる。コミュニティガイドラインは、AI や編集でリアルに描写する場合に明確なラベリングを要求し、個人に害を与える AI 生成コンテンツは許容されないとしている。

自分で撮った動画を改変されました

著作権侵害の申し立てのほうが要件が明確である。YouTube も、自分が作成した動画をコピーされた場合は著作権侵害の申し立てを勧めている。

告訴にはいつまでに動く必要がありますか

名誉に対する罪の告訴は、犯人を知った日から6か月を経過するとできない(刑事訴訟法第235条)。投稿者が判明した日が起算点になる。

公開2026-10-26
最終更新2026-10-26
閲覧時間約14分

本稿は一般的な情報であり、法的助言ではない。結論は個々の事実関係、相手方や裁判所の判断によって変わり、特定の結果を約束するものではない。プラットフォームの方針や法令上の義務は変わるため、記載は掲載日時点で確認した内容である。本文中のサービス名はそれぞれの権利者の商標であり、サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)はこれらと提携関係にない。サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)は法律事務を取り扱わないため、法的助言が必要な場合は弁護士に依頼すること。

CASE INTAKE

出す前に、証拠の固定と窓口の選択を終える

サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)は、証拠の記録、各プラットフォームへの報告、情プラ法の削除申出窓口への申出、書式の作成と送付、検索結果からの削除申請、再投稿の監視まで一連で扱う。相談内容は外部に出さない。

すべての相談は匿名で行われます。