YouTube の動画を削除させる方法|申し立ての選び方
YouTube の申し立ては四種類ある。著作権侵害による削除通知、プライバシー侵害の申し立て、コミュニティガイドライン違反の報告、そして情報流通プラットフォーム対処法の削除申出である。自分で撮影した映像なら著作権の筋がもっとも要件が明確で、通知の宛先も公開されている。ここでは種類ごとの要件と、発信者に渡る情報を整理する。
ABSTRACT
選び方は単純である。自分が撮影した、または所有しているコンテンツを無断で使われたなら著作権侵害による削除通知を出す。本人が映っているだけで著作物は自分のものでない場合はプライバシー侵害の申し立てになり、こちらは申し立ての対象となるコンテンツで本人を明確に特定できることが前提になる。著作権の通知は YouTube Studio から出せるほか、メール・ファックス・郵便でも受け付けられ、7日後に有効化するスケジュール設定と再アップロード防止の選択肢がある。
本文の要件・窓口・期間は、YouTube ヘルプ、Google の公式ヘルプ、総務省が公表する削除申出窓口の一覧、情報流通プラットフォーム対処法の条文および裁判所ウェブサイトの記載を、掲載日時点で確認したものである。
目次
01申し立ては四種類
同じ動画でも、どの経路で出すかによって要件も処理も違う。まず区分を決める。
| 経路 | 前提 | 出し方 |
|---|---|---|
| 著作権侵害による削除通知 | 自分が著作権者であること | YouTube Studio、またはメール・ファックス・郵便 |
| プライバシー侵害の申し立て | 対象のコンテンツで本人を明確に特定できること | 専用の手続 |
| コミュニティガイドライン違反の報告 | ポリシー違反に当たること | 動画の報告機能 |
| 情プラ法の削除申出 | 権利が不当に侵害されていること | 届け出られた削除申出窓口 |
YouTube は、自分が作成した動画もしくは所有しているコンテンツを誰かにコピーされた場合は著作権侵害の申し立てを行うことを勧めている。プライバシー侵害は「本人を明確に特定できること」という判断を要するのに対し、著作権は権利の所在で決まるため、要件が明確である。
02著作権侵害による削除通知
動画については YouTube Studio から提出するか、メール、ファックス、郵便のいずれかで提出できる。動画以外のコンテンツ(チャンネルバナー画像など)については、メール、ファックス、郵便のいずれかで提出する。
- パソコンまたはモバイルブラウザで YouTube Studio にログインする。
- 左側のメニューからコンテンツ検出を選択する。
- 新しい削除リクエストをクリックする。
- メールで出す場合は、必要事項をすべてメールの本文に記入し(添付ファイルとしてではなく)、copyright@youtube.com 宛てに送信する。
提出する資格があるのは著作権者である。または、弁護士などの正式な代表者が著作権者に代わって提出することもできる。虚偽の情報を送信してはならず、不正な書類を提出するなどして手続を不正に使用した場合、アカウントの停止や法的問題に発展する可能性があるとされている。
提出の前に、フェアユース、パブリックドメイン、または同様の著作権の例外が適用されないかを確認するよう求められている。この確認が済んでいるかを YouTube から尋ねられることがあり、十分な回答をしなかった場合は通知が無効になり、削除が実行されないことがある。
03記載しなければならない事項
メールで出す場合、本文に揃える項目が決まっている。欠けていると処理されない。
通知に入れるもの
- 連絡先情報。メールアドレス、住所、電話番号のうち一つ以上を記載する。
- 著作権で保護されたコンテンツの説明。明確に詳しく書く。複数の作品が侵害されている場合は代表例のリストを含められる。
- 権利侵害の疑いのあるコンテンツへの直接リンク。コンテンツの種類に応じた URL 形式で送る。
- チャンネルバナー画像なら、チャンネルページの URL。
- 動画に対するコメントなら、コメント上の投稿日をクリックして再読み込みされたアドレス。
- 侵害箇所の時刻。「0:00-1:13(動画全体)」の形で始まりから終わりまで書く。
- 本人であることを示す資料。求められたときに出せるよう用意しておく。
URL の形式は、対象がチャンネルバナー画像、チャンネルの説明、クリップ、コメント、ショート動画のエフェクト、再生リストのいずれかで変わる。通常の視聴ページの URLを貼れば済むとは限らない点に注意する。
047日後の有効化と再アップ防止
著作権の通知には、他の経路にない二つの選択肢がある。実務ではここが効く。
- スケジュール設定。通知を7日後に有効になるように設定できる。アップロードしたユーザーには7日間の猶予が与えられ、この期間に対応すれば著作権侵害の警告を回避できる。
- コピーの防止。YouTube Studio から提出する場合、同じコンテンツのコピーが今後再アップロードされるのを防止するオプションを選択できる。
- 複数の作品が侵害されていると思われる場合は、代表例のリストを削除依頼に含めることができる。
同じ映像が繰り返し投稿されている案件では、コピーの防止を選べるかどうかで作業量が変わる。これは YouTube Studio から提出した場合のオプションであり、メール・ファックス・郵便で出す場合の選択肢としては案内されていない。経路の選択がそのまま結果に影響する。
05発信者に渡る情報
出す前に確認しておくべき点がある。YouTube は、法律上、アップロードしたユーザーと特定の情報を共有することが義務付けられていると説明している。
個人情報が開示されることについて懸念がある場合は、正式な代理人(弁護士など)が本人に代わって通知を送信できるとされている。相手に氏名や連絡先が渡ることを避けたい案件では、この点を先に判断する。
また、YouTube から、または削除を求めるコンテンツをアップロードしたユーザーから、削除リクエストに関して問い合わせがある場合があるとされている。連絡先情報の記載が必須なのは、この連絡のためである。
Google に送った個別の法的通知は、Lumen プロジェクトに送付されて公開されることがあり、通知に関する情報が Google の透明性レポートに掲載される場合もある。送信者の連絡先などの個人情報は Lumen 側で削除されるが、申請の存在自体は外に出る前提で文面を書く。
06プライバシー侵害の申し立て
本人が映っているが、著作物は自分のものではない場合はこちらになる。YouTube は、サイト上の動画またはコメントによって自身のプライバシーまたは安全性が侵害されている場合や、知らないうちにプライベートまたはデリケートな状況が撮影されていた場合に申し立てる手続を設けている。
- 申し立てをする場合は、まず申し立ての対象となるコンテンツでお客様個人を明確に特定できることを確認するよう求められている。
- 亡くなられた方については、死亡の事実を確認したうえで、故人のプライバシーと思い出を尊重するため、故人の肉親の方または法定代理人からの要請を考慮するとされている。
- 自分が作成した動画もしくは所有しているコンテンツをコピーされた場合は、著作権侵害の申し立てを行うことが勧められている。
- コンテンツがコミュニティガイドラインに違反していると思われる場合は、不適切なコンテンツの報告という別の経路が案内されている。
- 身の危険を感じる場合は最寄りの警察に相談するよう案内されている。
07情プラ法の削除申出窓口
Google LLC は情報流通プラットフォーム対処法の指定事業者で、YouTube について削除申出窓口と削除基準を届け出ている。総務省が一覧で公表しており、窓口は YouTube ヘルプの該当トピック、削除基準はコミュニティガイドラインである。
| 条文 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 第22条 | 削除申出を受け付ける方法を定めて公表する | 受付日時が申出者に分かる方法であること |
| 第23条 | 権利が不当に侵害されているかを調査する | 遅滞なく |
| 第25条 | 判断の結果を申出者へ通知する | 申出を受けた日から7日 |
| 第27条 | 削除した旨と理由を発信者へ通知する | 遅滞なく |
| 第28条 | 申出の受付状況と対応状況を公表する | 公表年度の経過後2か月以内 |
第25条の本文は「申出を受けた日から十四日以内の総務省令で定める期間内」と書くが、実際の期間は施行規則第16条で7日と定められている。14日は法律が許す上限であって、運用上の期限ではない。発信者の意見を聴くときや侵害情報調査専門員に調査させるときは、7日以内にその旨だけを知らせて延びる(第25条第2項)。
08ガイドライン違反の報告
ポリシー違反としての報告は、動画の報告機能から行う。権利侵害の申し立てとは別経路で、処理も別である。
- どのポリシーのどの項目に当たるかを一件ごとに対応させる。まとめて不適切だと書く報告は通りにくい。
- 合意のない性的な内容、本人と特定できる偽造された性的な内容、個人情報の掲載は、それぞれ別の項目として整理する。
- 報告の結果について理由が返らないことがある。期限のある回答を求めるなら削除申出窓口から出す。
- 報告と権利侵害の申し立ては両方出せる。どちらかで足りるものではない。
09検索結果への対応
動画が削除されても、検索結果に残ることがある。検索側は別の申請になる。
- 削除してほしいページの URL を入力する。審査対象は提出した URL のみで、提出していないページは見られない。
- 性的なコンテンツ、本人と特定できる偽造されたコンテンツ、名前やハンドルが無関係なポルノサイトや広告に結び付けられた結果は、個人的な性的コンテンツの削除という区分で受け付けられる。
- 住所、電話番号、政府発行の ID 番号などは、個人情報の削除リクエストという別の区分になる。
- ポリシーの区分に当てはまらない場合は、法律に基づく削除の窓口に出す。
- 元の動画が削除済みで検索結果の表示だけが残っている場合は、古いコンテンツの更新をリクエストする経路がある。
Google が削除できるのは検索結果ページ上のコンテンツだけで、動画そのものは残る。報道価値があると判断された場合は削除されないこともある。動画の削除と検索側の申請は、両方を進める必要がある。
10動かないときの手続
任意の申し立てで動かない場合は、裁判手続に移る。削除と特定は別の申立てである。
- 削除仮処分。民事保全法第23条第2項により、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害または急迫の危険を避けるため必要なときに発することができる。権利と保全の必要性は疎明しなければならない(第13条第2項)。
- 発信者情報開示命令。情プラ法第8条の非訟手続で、要件は第5条の二つである。開示命令・提供命令・消去禁止命令の申立手数料は、各申立てごとに1,000円である。
- 東京地方裁判所民事第9部は、開示命令事件において投稿記事の削除を求めることはできないと明示している。
- 第9条第1項第3号は、日本において事業を行う者を相手方とする場合、申立てが日本における業務に関するものであるときは管轄権があると定める。
サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)が担うのは、対象の記録と URL 形式の確認、経路の選択、通知と申出の下書き、検索結果からの削除申請、再アップロードの監視という事務の部分である。法律事務は取り扱わず、訴訟代理人にはならない。
よくある質問
どの申し立てを使えばいいですか
自分で撮影した映像を無断転載されたなら著作権侵害による削除通知である。YouTube も、自分が作成した動画をコピーされた場合は著作権侵害の申し立てを勧めている。
著作権の通知はどこに出しますか
動画は YouTube Studio のコンテンツ検出から、または必要事項をメール本文に記入して copyright@youtube.com 宛てに送る。ファックスと郵便も受け付けられている。
相手に自分の名前が伝わりますか
YouTube は、法律上アップロードしたユーザーと特定の情報を共有することが義務付けられていると説明している。懸念がある場合は、弁護士などの正式な代理人が本人に代わって送信できるとされている。
再アップロードを防げますか
YouTube Studio から提出する場合、同じコンテンツのコピーの防止オプションを選択できる。メールなど他の経路での選択肢としては案内されていない。
すぐ削除させたくない場合もあります
通知を7日後に有効になるようスケジュール設定できる。アップロードしたユーザーに7日間の猶予が与えられ、この期間に対応すれば著作権侵害の警告を回避できる。
削除の回答はいつ来ますか
情プラ法の削除申出窓口に出した場合、申出を受けた日から7日以内が原則(施行規則第16条)。意見聴取や専門員の調査に入る場合は、その旨を7日以内に知らせたうえで延びる。
亡くなった家族の動画も申し立てられますか
YouTube は、死亡の事実を確認したうえで、故人のプライバシーと思い出を尊重するため、故人の肉親または法定代理人からの要請を考慮するとしている。
フェアユースだと言われました
提出の前に著作権の例外が適用されないかを確認するよう求められており、十分な回答をしない場合は通知が無効になり削除が実行されないことがある。該当しない理由を具体的に書く。
確認した出典
- 著作権侵害による削除通知を提出する - YouTube ヘルプ
- プライバシー侵害の申し立て手続き - YouTube ヘルプ
- 情プラ法に基づく削除申出窓口 - YouTube ヘルプ
- コミュニティ ガイドライン - YouTube ヘルプ
- 個人的な性的コンテンツの削除 - Google 検索ヘルプ
- Google 検索から個人情報を削除する - Google 検索ヘルプ
- 古いコンテンツの更新をリクエストする - Google 検索ヘルプ
- 法律に基づく削除リクエスト - Google 法的ヘルプ
- 情プラ法第21条に基づき届け出られた削除申出窓口及び削除基準(一覧) - 総務省
- 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律 - e-Gov 法令検索
- 同法施行規則(第16条) - e-Gov 法令検索
- 著作権法(第112条・第114条・第119条) - e-Gov 法令検索
- 民事保全法(第13条・第23条) - e-Gov 法令検索
- 発信者情報開示命令事件 - 東京地方裁判所民事第9部
本稿は一般的な情報であり、法的助言ではない。結論は個々の事実関係、相手方や裁判所の判断によって変わり、特定の結果を約束するものではない。プラットフォームの方針や法令上の義務は変わるため、記載は掲載日時点で確認した内容である。本文中のサービス名はそれぞれの権利者の商標であり、サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)はこれらと提携関係にない。サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)は法律事務を取り扱わないため、法的助言が必要な場合は弁護士に依頼すること。
CASE INTAKE
経路の選択を間違えなければ、処理は速い
サラジムカンパニー(SARAZIM LLC)は、対象の記録と URL 形式の確認、経路の選択、著作権通知と削除申出の下書き、検索結果からの削除申請、再アップロードの監視まで一連で扱う。相談内容は外部に出さない。
すべての相談は匿名で行われます。